第29回日本臨床細胞学会 北陸支部連合会学術集会スライドセミナー

  座長 寺畑 信太郎 (市立栃波総合病院)
     
   
     
北陸支部連合会学術集会プログラム    
症例の画像(Virtual slide)が開かない場合は Flash player をインストールしてください。      VSの操作説明     動画の操作環境を確認してください
Case1
 唾液腺: 今村好章 (福井大学医学部附属病院病理部)
VSの操作は操作方法ボタンで確認してください。
gyne 1
case1_1 case1_2
細胞診画像をクリックしVSをご覧ください。
投票結果!

63歳 女性
現病歴:約3年前に右乳癌の臨床診断にて右乳 房切除術および右腋窩リンパ節郭清術が施行さ れた.組織診断はinvasive lobular carcinomaで あった。その後,肝転移および骨転移が出現し, 放射線療法・化学療法およびホルモン療法による 追加治療を行なった。今回,左顎下腺内に嚢胞 性腫瘤が出現したため,穿刺吸引細胞診が施行 された。

検体: 唾液腺穿刺標本

設問1 細胞所見として正しいものを1つ選べ.
a. 背景にみられる炎症細胞はリンパ球が主体である.
b. 異型細胞は主として孤立散在性に出現している.
c. 異型細胞の核の大小不同および核小体は目立たない.
d. 豊富な好酸性細胞質を有する異型細胞を認める.
e. 細胞質内に粘液を有する異型細胞を認める.


    
選択肢をチェックし投票ボタンをクリックしてください。
設問2 考えられる疾患の組み合わせとして最も適切なものはどれか?
1. Metastatic lobular carcinoma
2. Acinic cell carcinoma
3. Oncocytic mucoepidermoid carcinoma
4. Warthin tumor
5. Salivary duct carcinoma

a. 1,2
b. 1,5
c. 2,3
d. 3,4
e. 4,5

 

選択肢をチェックし投票ボタンをクリックしてください。
Case2

 軟部腫瘍: 片柳和義 (石川県立中央病院病理診断科)

VSの操作は操作方法ボタンで確認してください。
case2_1 case2_2 case2_3
case2_4 case2_giemsa  
細胞診画像をクリックしVSをご覧ください。
投票結果!
掲載予定!

6歳,女児
【主訴】後頚部の膨隆
【現病歴】2ヶ月前より後頭部腫瘤が増大し,痛 みが出現。近医(小児科)を経て,当院小児科 を受診。MRIにて,骨破壊像を伴って頭蓋骨 内外に拡がる腫瘤を指摘。診断目的に穿刺 吸引細胞診および生検が施行された。
【腫瘍マーカー】AFP1.2ng/mL( 基準値10 以 下),CEA 0.5ng/mL(5以下),CA19-9 18.2U/mL(37 以下),HMA( 尿)1.1mg/L(1.6-5.5), sIL2R 556U/mL↑(122-496)

検体: 後頚部腫瘤穿刺吸引細胞診(Papanicolaou染色,Giemsa染色)

問1) 細胞所見の正しいものを選べ.
a.類円〜短紡錘形の単核細胞と多核巨細胞が混在して出現し,一部にヘモジデリン沈着を見る.
b.偏在核,大型核小体を有する異型形質細胞が出現し,一部にアミロイド沈着を見る.
c.N/C比の高い類円形腫瘍細胞が孤立散在性に出現し,一部にrosette形成を伴う.
d.紡錘形〜多型性に富む腫瘍細胞が出現し,一部に類骨形成を見る.
e.コーヒー豆様,そら豆様,ラクビーボール様の核を持った組織球様細胞が出現し,背景には好酸球浸潤をよく伴っている.

    

選択肢をチェックし投票ボタンをクリックしてください。
問2)推定組織診断は?
a.骨巨細胞腫
b.多発性骨髄腫
c.Ewing肉腫
d.骨肉腫
e.好酸球性肉芽腫

 

選択肢をチェックし投票ボタンをクリックしてください。
Case3
 卵巣腫瘍: 南里恵 (富山県立中央病院産婦人科)
VSの操作は操作方法ボタンで確認してください。
case3_1 case3_2 case3_3
1 2 3
case3_4 case3_5 case3_giemsa
4 5 6
細胞診画像をクリックしVSをご覧ください。
投票結果!
掲載予定!

18歳 女性
【主訴】腹部膨満感
【現病歴】急速に増悪した腹部膨満感を主訴に受診。巨大腹部腫瘤と 多量の腹水を指摘され精査・治療目的に入院された。
【腫瘍マーカー】SCC 10.3ng/ml,AFP 1.1ng/ml,CEA 26.1ng/ml, hCG 1.2mIU/ml,CA19-9 6753.5U/ml,CA125 260U/ml
【治療】腹式左付属器切除術を施行した。4400mlの血性腹水を認め, 卵巣腫瘍は大網と広範囲に癒着していた。大網亜全摘とともに5400g の左卵巣腫瘍を摘出した。腹腔内の広範囲に腹膜播種を認め,肝実 質内にも転移巣を認めた。

検体: 腹水(1,2) 卵巣捺印標本(3-6)

設問1:腹水・捺印・捺印ギムザ細胞診所見で合わない記述はどれか。
A.背景は出血性・炎症性であり、多数の壊死物質も認められる。
B.異型細胞は孤在性から小集塊状態に出現している。
C.胞体に乏しい小型類円形異型細胞や裸核状の異型細胞が出現している。
D.異型細胞の核クロマチンは細顆粒状で核小体は目立たず核縁の肥厚もない。
E.異型細胞には一部ロゼット様配列がみられる。

    

選択肢をチェックし投票ボタンをクリックしてください。
設問2:考えられる疾患はどれか。
A.Carcinosarcoma
B.Immature teraroma (Grade3)
C.Mature cystic teratoma with malignant transformation (PNET)
D.Malignant lymphoma
E.Small cell carcinoma

 

選択肢をチェックし投票ボタンをクリックしてください。

Virtual Slide:
画像処理技術を用いて顕微鏡観察をデジタル画像として再現する方法をバーチャルスライド(VS)といいます。
細胞診標本の細胞像をVSにしてあります。画像をクリックしてVSをご覧ください。 

               弘前大学大学院保健学研究科 鷲谷 清忠