10数個の異型扁平上皮細胞が、孤立散在性に一部小集団で認められた。細胞は約20μm弱の大きさで、細胞多型性、大小不同性に乏しかった。
孤立散在性の細胞は、細胞質の染色性は、エオジン・オレンジG好性のものが多く、一見すると、錯角化を示しているように見えるが、比較的、希薄な細胞質である。
光輝性といわゆる重厚感のある細胞質ではなく、偏光にても不規則な複屈折は示さなかった。核は類円形で10μm以下の大きさで、核形不整、大小不同性に乏しかった。
高度なN/C比増大(1/2より大)も認めず、核クロマチンは、細顆粒状で均等に分布し、異常凝集は認めなかった。核小体は不明瞭だった。
小集団内の細胞はライト緑好性で、細胞質の染色性は希薄だった。孤立性細胞に比較し、小集団内の数個の細胞では、核形不整と核クロマチン増量を認めた。
しかし、クロマチン分布は細顆粒状で均等で、異常凝集はなかった。子宮頸部のDysplasiaの細胞核のクロマチン状態に類似していた。
核小体は、小集団内の数個の細胞では、小〜中型のものが1個認められた。以上より、Moderate squamous dysplasia と判断した。
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