症例 2

 

症例: スパーテル採取 60歳  検診(経年受診、過去2回IIIaで要精検) 48歳閉経

主訴: なし

診断: 異常なし


提供施設スライド

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判定

 閉経後10年以上経過しているが、比較的分化の良い細胞像。深層型扁平上皮系の核肥大した細胞を、小集塊状に認める。核の大小不同を認めるが、核形不整は軽度で平面的な核所見。クロマチンは細かく、淡く見られ、増量傾向はあるが弱い印象を受ける。頚管腺細胞の集塊を認め、そこから移行して見られる化生様の細胞集塊で、核の軽度肥大、配列の乱れた様な所見が認められた。以上より、異形成以上の病変を考えClassIIIaと判定した。


事前鏡検施設スライド

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判定

 スライド@〜Bでは、koilocyto、多核の扁平上皮細胞が見られ、HPV感染が疑われる。 スライドC、Dは、(同一集塊の上下の分割)結合性の強い集塊が見られる。N/C比高く、円〜類円形の核、 核縁は張った様な感じに見られる。軽度核異型も認めるが、殆どが同一の細胞と思われる。 スライドE、F これもN/C比高く、クロマチンの増量がみられる。 スライドG 大型の核を有する扁平上皮細胞が見られる。核は類円形で、クロマチンの増量があり、上皮結合を認 める。 スライドH この集塊では、核分裂像を認める。 スライドI〜M ほかの細胞と同様の所見が見られる。 標本全体では、背景はやや炎症細胞がみられ、汚い感じはない。N/C比の高い細胞集団が見られ、集塊内 での大小不同は殆どない。クロマチンの増量と、核縁の張った感じの細胞が主体。 HPV感染を伴ったCISと考える。


組織診断

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判定: 上皮内癌

子宮膣部12分割中の3分割で、上皮内癌の所見を認める。異型細胞が上皮を全層置換して見られる部分と、頚管腺内への侵襲像を認める。異型細胞が表層に出ている部分は少ない。他に、上皮内癌部分に隣接して上皮が変化している部分が認められ、それらは細胞診でみられた所見と類似していた。