針洗浄法:ショ糖加保存液

標本作製法

ショ糖入り保存液5〜10mlで穿刺を洗浄する。全量をオ−トスメアで遠心塗抹(1500rpm、5分間)。直ちにMP固定液でコーティング固定し、半日〜1日室温乾燥。95%エタノールで15分間再固定後染色。

 ショ糖入り保存液作成法:2%ショ糖入り0.01mol-PBS(pH7.4 0.1mol-PBS 100ml + NaCl 8.5g + 水1L + ショ糖2%)、この溶液 2 に対し、100%エタノール 1 の割合で混合し冷蔵保存。
*核染は50%希釈のヘマトキシリン液を使用する。
保存液及び検体は冷蔵保存する。

採用理由

検体を受託するため操作が簡便で、検体及び保存液とも安定性が求められる。(穿刺施行から標本作製まで半日〜3日程度経過する)
細胞乾燥による判定不能を防ぐため。

長所:細胞の保全性が高く、数日経過しても変化しない。細胞が剥がれにくい。医療機関のスタッフによる不慣れな操作でも、標本の乾燥が防げる。立体構造がやや強調されるため構造異型を読むのに有利。微細顆粒状のクロマチン構造を読み取りやすい。

短所:保存液作製に手間が掛かる。細胞及び核が濃縮する傾向がある。筋上皮細胞と上皮細胞との鑑別が困難な場合がある。ギムザ染色は不適。


細 胞 像

線維腺腫

001 002 003 004 005 006

乳頭腺管癌

007 008 009 010 011 012

硬 癌

013 014 015 016 017 018