検 体:気管洗浄液及び左気管支生検鉗子洗浄液
年 齢:72 歳 女
検体処理:洗浄液のオートスメア塗抹
臨床経過:5ヶ月前より鼻閉にて近医受診中、上咽頭部腫瘤(アデノイド様)指摘され当院受診.精査にて上咽頭、声門下から気管下部、左気管支にかけて腫瘤が存在した。
提供施設画像
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提供施設判定:小〜中型リンパ球様細胞が多数出現している。細胞はほぼ均一で単調な所見である。一部細胞質が豊富になり、核偏在した細胞が混在している(Plasmacyteへの分化)。気管支上皮細胞集塊にこれらの細胞が浸潤している。(lympho-epithelial lesionの形成)。IHCでほとんどの細胞がCD20に陽性、CD3は陰性であった。
以上の所見よりClass IV Maltomaを疑う
事前鏡検施設画像
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事前鏡検施設判定:出現している線毛円柱上皮細胞に異型は認めないが、通常はマクロファージなどが見られる背景にリンパ球が多数出現している。リンパ球は小型であり、直ちに悪性リンパ腫を考える細胞ではないが、低悪性度のMALTリンパ腫を否定できない。また、核腫大、核小体を有し、細胞境界が不明瞭な異型細胞とリンパ球の集簇が認められるが、上咽頭に腫瘤が指摘されていることより、異型細胞が上皮細胞かは断定できないが、いわゆるリンパ上皮腫も否定できない。
以上の所見より 検体適正 鑑別困難と判定する