VS Q&A
Q1:VSのメリットとは?

A1:静止画像は標本のピンポイントしかチャプチャーできませんが、VSはエリアとして標本を表示することが可能です。標本全部を画像化すると数G(ギガ)バイトにもなり、インターネットで見ることができるサイズではありません。標本を反映した画像(動画)という のは標本全部を表示する必要はなく、押さえておきたい範囲をカバーできていれば目的は達成するのではないかと考えます。
WebCytoScopeは一定の範囲をスクリーニング感覚で観察できるので、精度管理にも有効ではないかと思っています。

Q2:あらゆるPC環境に適応できるか?
A2:市販アプリケーションソフトのインストールを考えてみてください。
起動できるハードウエアやOSの仕様が必ず書かれていると思います。また、Windowsにはいろいろなバグ(不具合)があることもほとんど常識になっています。 このように、ソフトウエアの世界では完全はありえないということを理解してもらえると思います。したがって、VSの場合も使用できるハードウエアやOSの環境などを明記しておくことで対応したいと考えます。
WebCytoScopeの動作OSは、WindowsXP/2000 および Mac OS X 10.x (Safari 1.3.2、Firefox 1.5.0.7、IE 5.2.3 etc) です。
Q3:解説ボタンをクリックすると解説HP以外に別のHPも開いてしまうが?

A3:解答HPを開く時、PowerPoint 2003/2002 Add-in: Office Animation Runtime のHPが開く場合があります。
これは、HPにaminationを使用している場合に、それを表現するために必要なRuntime モジュールをダウンロードしますか?という意味です。
特に必要としないので、無視して閉じてください。
A
nimationも表現してみたい場合は、PowerPoint Viewer 2003(ppviewer.exe)をダウンロードし、インストールしてください。なお、ファイルをダウンロードする時は、Change Language:でJapaneseを選択し、changeボタンで決定してから行ってください。

Q4:VSを起動しているとメモリーが足りなくなってしまった?
A4:メモリー不足の対策上、開いた画像(動画)は見たら閉じるようにしてください。(何枚も表示しておかない)
画像(動画)を見る場合はメモリー容量を増やすことをお勧めします。またWindowsにはアプリや画像を頻繁に開くとメモリが減っていくバグがあります。そのため使用していると動作が遅くなることがありますので、Windowsを再起動してください。

Q5: デジタル画像の精度は銀塩写真には及ばないと思いますが?

A5:デジタル画像の色情報量は銀塩フィルムを使用したカメラの写真に及ばないというのは事実です。しかし、人間の目で認識できる情報量は銀塩写真が持っている精度に及ばないということも事実です。そして、デジタルカメラの性能が日々向上している現在、画像を扱う多くの分野でデジタル化しているのが現実です。
技師会のカラー写真を印刷したペーパーを使ったサーベイやリバーサルスライドを利用したスライド集などを見ても、難しい症例にな るほど光学顕微鏡でもみたいという声をよく聞きます。 このような意見があるのは、画像情報が足りないからなのでしょう か?

長くなりますが、興味ある研究報告を紹介します。
鳥取大学医学部の安達らによる「モニターと直接検鏡での細胞診断の比較と遠隔細胞診の診断画像選択における施設間差」(日本臨床細胞学会雑誌2004年Vol.43 No.3 p214-221)の論文をみると、 直接診断(光学顕微鏡にて標本を検鏡)よりモニター診断の正診率が低い原因を、以下のように述べています。
@直接検鏡では焦点の変換が容易で細胞集塊部分の細胞、核内構造などをより詳細に観察しうる
Aモニターの視野範囲(○で囲んだ範囲をx10〜x40で画像を取り込む)は直接検鏡の約50%であり、直接検鏡ではモニター上の細胞のみならず、周囲の細胞や背景像を検鏡できる。
Bモニター上では細胞診標本の染色の再現性が十分ではない。特にヘマトキシリンの染色性は強調される傾向にある。
Cメイ・ギムザ染色での核内構造等がモニター上では十分観察できないことがある
D被験者がモニター上の細胞観察に不慣れである
*)十分な臨床情報の記載が必要である
*)スクリーニングすると画像以外の細胞が診断に適していたという指摘があった

モニター(デジタル画像)そのものが原因と思われるのは、Bヘマトキシリンの染色性が強調される傾向にあること、Cメイ・ギムザ染色の核内構造等がモニター上では十分観察できないことの2点である。直接検鏡では@焦点の変換が容易でより詳細に観察しうること、A周囲の細胞や背景像をより広く検鏡できること、そしてモニター画像以外の細胞が診断に適していたと指摘などは、画像情報不足(だけ)が原因ではないことが分かる。ヘマトキシリンの染色性が強調される傾向にあることは、モニターに限ったことではなくカラー写真やスライドでも指摘されている。メイ・ギムザ染色での核内構造等がモニター上では十分観察できないという事項は、高解像度モニターの推奨など今後の検討課題と思われる。 (最近モニター解像度が上がってきているので期待したい)

WebCytoScopeは一定の範囲をスクリーニング感覚で観察でき、拡大してみることができるので、デジタル静止画像の欠点をカバーした動画といえます。

Q6:VSの活用方法について教えてください
A6:活用例を述べておきます。 
症例検討会 細胞検査士会Homepageでインターネットカンファランスに利用している
細胞像の解説 細胞検査士会Homepageでリンパ・網内系細胞像を解説している
細胞診自己研鑽システム 細胞検査士会Homepageで細胞診断のための自己研鑽システムとして活用している
細胞診精度管理システム 細胞診断の精度管理に利用できる可能性がある
テレパソロジー用簡易動画 生検組織用ヴャーチャルスライドをメールに添付して送信。簡易テレパソロジーができる

教材用CD

例えば医学生用病理組織動画CDの作成に利用できる